こちらの記事では、京劇の男役と女役の呼び名を『君、花海棠の紅にあらず』のワンシーンと共にまとめています。
京劇の役柄の見分け方
京劇の役柄は
- 男 / 女
- 髭をつけている / つけていない
- 隈取をしている / していない
で見分けます。
そして、登場人物は「生、旦、浄、丑」の4つの役柄に分けられます。
オペラは声域によってパートが分けられますが、京劇の場合は声色によって役柄が分けれられます。
- 生:男役
- 旦:女役
- 浄:豪傑的人物
- 丑:道化役
「生」と「旦」は主人公と決まっていて、基本的に善人役です。
「老生」「花旦」とは?
「生」の役柄
生は、さらに細かく分けられますが、ここでは3つの役柄を記述しておきます。
- 小生:若者(髭はつけない)
- 老生:長いあご髭をつけた大人役
- 武生:将軍や英雄豪傑の役
「生」の役は年齢などによって細かく分けられており、老生はふけ役、小生は若者、武生は立回りを主とします。
ドラマのワンシーンを見てみましょう。
画像出典:爱奇艺
雲喜班から借り出された小周子が、臘月紅と一騎打ちする際、お互いに自己紹介します。
臘月紅だ
舞台では老生を
君、花海棠の紅にあらず 第22話
舞台では老生を
君、花海棠の紅にあらず 第22話
臘月紅が演じる「老生」は、宰相・忠臣・学者・武将など男性役で、必ず長いあご髭をつけます。
老生とは「長く生きた人」という意味です。
「旦」の役柄
旦の役柄も細かく分けられます。
- 正旦:貞女・烈女・淑女などの役(青衣)
- 花旦:活発な若い女性役
- 武旦:武芸に通じた女性役(立回りが主)
- 老旦:老女役

花旦役の周香蕓(小周子)
ドラマの中で一騎打ちの際、周香蕓は「花旦」ではなく、女役だと自己紹介します。これを聞いた商座長がこう言います。
はっきり花旦と
言えないようでは負けるな
君、花海棠の紅にあらず 第22話
言えないようでは負けるな
君、花海棠の紅にあらず 第22話
果たして軍配はどちらに上がったのでしょうか?気になる勝負の結果は、ぜひ視聴してご確認ください。