清朝の后妃たちが指につけているアレは何ていう? 何のために付けているの?

トリビア

清朝を舞台にした時代劇を観ていると、皇后や側室たちが、薬指と小指にキャップのようなものを付けています。あの指につけているキャップは何というのでしょうか?

清朝の後宮たちが指につけている指甲套とは?

皇后や妃嬪たちが指につけているきらびやかなキャップのようなものは指甲套(しこうとう)と言います。

素材は金、銀、銅、べっ甲、メノウなどで、その形は着映えするように緩やかに曲げられています。ゴールドやシルバーに彫金をほどこしたり、象嵌細工やエナメル、七宝、ガラス、宝石などで豪華に装飾されています。

指甲套画像:每日頭條

指甲套は身分を表す装飾としての意味もあるので、誰でも好きなものを付けられるのではなく、后妃の地位によって所有できる種類が分けられています。

 

指甲套画像:每日頭條

ドラマで観てるだけでは分かりませんでしたが、指先の形状にも種類があるんですね。

 

指甲套画像:每日頭條

職人技がお見事です!

指甲套の長さは最初の頃は5センチほどでしたが、次第に長くなり15センチほどのものを付けるようになったようです。

指甲套 西太后画像:每日頭條

西太后が付けているものは長くて細くて、ものすごく尖っているように見えます。この長さはとんがりコーンでは真似できません。

後宮たちは何のために指甲套をつけている?

指甲套は長く伸ばした爪を守るためのもので、爪カバーとして付けています。

指甲套を外した状態はこんな↓感じです。

画像:『如懿伝』第42話


 
爪を長く伸ばすのが当時の流行でしたが、その流行が生まれたのは周代に作られた『詩經』という書物がきっかけ。

この中で、女性の手について「手は若芽のように柔らかく、肌は白玉のように美しい」と記されていることから、男性たちは、女性の細くてしなやかな指に憧れを抱くようになり、女性たちは美しく細く見えるよう爪を伸ばすようになったといいます。この爪を伸ばす行為を「蓄甲」と言うそうです。

指甲套を楽しめるのは、高位の女性たちに限られます。身の回りの世話をしてくれる人がいるような身分でないと爪を長く伸ばすことは出来ません。ですから指甲套は、身分の高さを表すための装飾品でもありました。

確かにドラマの中で指甲套を付けた皇后や妃嬪たちの手の動きは、しなやかで気品に溢れています。ちなみにですが、BSテレビ東京で放送されていた『宮廷の茗薇<めいび>~時をかける恋』では、後宮たちは指甲套を付けていませんでした。(爪も伸ばしていません。)

後宮たちの指甲套の便利な使い方

指甲套を付けていると、何をするにも邪魔になって不便なように思えますが、ドラマの中で「そんな使い方があったのか!」という便利な使い方をしていました。

宮廷ドラマ『如懿伝』からご紹介したいと思います。

【シーン1】儀貴人が水銀の毒に侵されており、亡くなった胎児も中毒と判明。儀貴人が使っていた火鉢と紅籮炭の燃えカスを調べると辰砂を燃やした痕がありました。(辰砂には水銀の成分を含む。)

指甲套を使う皇后

『如懿伝』第18話

この燃えカスを調べるのに、陛下は棒を使っていましたが、皇后は指甲套を使って灰をかき分けていました。指さし棒としても使えます。

指甲套を使う皇后

『如懿伝』第18話

【シーン2】さらに化粧台の下から辰砂が見つかり、その匂いを調べる時にも指甲套を使用。指甲套は先が細いのでかき混ぜたり、小さいものを扱うときに最適です。

これらの使い方を観て、物は使いようだなと感心してしまいました。まだまだ便利な使い道があると思いますが、今回はここまでにして、最後に『宮廷の諍い女』でおなじみの華妃で締めたいと思います。

指甲套 華妃画像:每日頭條

こんなお茶目さがドラマの中で少しでもあればいいのに・・・

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